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D.S.~ダルセーニョ~のブログ(仮)

自分で勝手に考えたことを色々書いています

人手不足を考察してみる①なぜ正社員が不足しているのか?

人手不足

 今回の記事ではこちらのニュースから話を広げていきたいと思う。

 内容は帝国データバンクが2月21日に調査したもので、この調査によると企業の4割超が正社員不足による人手不足に陥っているという。

 業種別に見た内訳は、正社員が不足しているという企業は「放送」が最も多く(73.3%)、続いて「情報サービス」(65.6%)、「メンテナンス・警備・清掃(記事では検査となっているがこちらの方がわかりやすいためこちらに変更しております)」(62.9%)、「人材派遣・紹介」(60.8%)、「建設」(60.1%)と続いている。

 非正社員についても、29.5%の企業が「不足している」と回答。業種別では、「飲食店」(80.5%)が最多で、次いで「娯楽サービス」(64.8%)、「飲食料品小売」(59.4%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(55.6%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(55.6%)と続いた。

 今回の記事では今企業が陥っている正社員不足を、独自の視点から分析していこうと思う。

・正社員が不足している理由を考察

 まずはなぜ正社員が不足しているのかについて。正社員が不足している理由に関しては、いくつかの理由が考えられる。思いつくものを上げると、次の4つの仮説が思いつく。

①労働生産人口の減少による人手不足。

②正社員になりたくない人が多い。

ブラック企業で敬遠されているから。

④事業所が多すぎて人手が追いついていない。

 ①の理由に関しては、単純に少子高齢化で生産年齢人口が少なくなっていることから人手不足になっているという説だ。これは④の理由とも関連することだが、単純に事業所と比較した生産年齢人口が少ないから、慢性的な人手不足に陥っているという事だ。④の理由とも関連しているので、より詳しくは④の理由の所で触れよう。

---正社員になりたくない人が増えている?

 ②の理由に関しては、正社員の過酷な労働環境が嫌で非正規社員のままで働きたいという人が多いから正社員が不足しているという説だ。この理由から考えた場合、厳密には人手不足ではなくなる。正社員が少ないのであって、非正規社員は多いという事だ。実は③の理由とも関連する部分があるのだが、実際の所、非正規社員の数は年々増加傾向にある。

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 ご覧のように非正規社員は年々数を増しているが、その一方で正規雇用者の数も年々減少傾向にあるのは大きなポイントだと考える。昨今非正規社員が増加している理由として、女性や高齢者が非正規社員として働いているケースが増えているからという見方があるが、それだと正規社員の数が減っている理由に結びつかない。むろん高齢化で退職者が多くなって正社員が減っているという見方もできるが、だとしたらその分正社員を多く登用できるはずであり、相対的に正社員が減少しているのはおかしい。グラフを見て相対的に正社員が減少しているという事は、正社員の仕事がないというよりも、正社員になりたくない人が増えていると考えた方が納得できるのである。

---推測:「正社員の仕事がない」の真実

 むしろ売り手市場の昨今において、正社員の仕事がないというのは実はおかしかったりする。よほど自分に理想があって希望する職種以外では働きたくないという人にとっては、「正社員の仕事がない」という理由が生まれるのかもしれない。

 ②の説と似たような理由となるのが③の仮説だ。単純に労働条件等の厳しいブラック企業を敬遠している人が多いから正社員が少なくなっている、という説だ。先ほどの「正社員の仕事がない」と踏まえて考えると、現在の求人状況は確かに正社員募集が多いのかもしれないが、募集している企業の大半がいわゆるブラック企業であり、ブラック企業ばっかの求人が横行しているから「正社員の仕事がない」という声が生まれているという見方もできる。「正社員の仕事がない」という声のメカニズムは、自分に理想があるが故のものとブラック企業ばかりでまともな求人がないことの二つに分類分けされると私は考えている(むろん他にもあるとは思われる)。正社員の数が足りなくなっているのは、単純にブラック企業が多すぎて、その企業の正社員になりたくない人が多いからという見方もできるのだ。

---労働場所と生産年齢人口のミスマッチ

 ④の理由としては、単純に働く場所が多すぎて人手不足に陥っているという説だ。これに関してはこちらの記事で飲食関連の業種がこうなっていると説明したが、飲食以外にも事業を発展しすぎて、発展する事業に労働者数が追いついていないというのがあり得る。①の理由と組み合わせると、事業数が増えていることに加えて、生産年齢人口もまた減少していることが、相対的な正社員不足の原因と考えられる。これに③の理由を組み合わせると、いわゆるブラック企業と呼ばれる企業ほど、深刻な人手不足に見舞われているという事である。そういった企業が正社員だけでなく非正規社員も人手不足なのであろう。

 

 以上のように正社員が不足している理由を分類分けしてみると、正社員が減少している明確な理由が定まらないことがわかる。正社員減少の背景は特定の事例により引き起こされているのではなく、複数の要因が重なり合って起こっているものだと言えよう。

・推測:なぜ正社員になりたくない人が増えているのか?

 人手不足を招いている要因の一つである正社員になりたくない人が増えていることについて考えてみたい。なぜ正社員になりたくない人が増えているのか?それは正社員と非正規社員のメリット・デメリットを考えてみると見えてくる。

 ↑こちらに正社員と非正規社員のメリットデメリットが書いてあるので、こちらを引用しながら話を進めていこう。

---正社員のメリット・デメリット

 正社員のメリットとしてはやはり安定・安心・信頼の三つが完備されている安定雇用だという面だろう。正社員になれば退職までずっとその仕事を続けられ、福利厚生なども完備されている。また給与も一定額は必ず払われているから賃金の面でも安定していると言えよう。だがその一方で正社員のデメリットとして、自由がなくなるというデメリットがある。正社員はフルタイム労働(一日8時間、週40時間働く)が基本となっており、基本的に週5日働くことになる。つまり一週間に5日は必ず働かなければならないという事であり、この日は働きたいけどこの日は休みたいといった時間に対する余裕がなくなってしまう。基本的に企業に束縛された状態になってしまうというのが、正社員のデメリットであろう。

---非正規社員のメリット・デメリット

 これと全く正反対なのが非正規社員だ。非正規社員のメリットとしては、やはり自由があること。働きたい日に働けて、働きたくない日には働かないといった時間に対する自由があるということは、非正規社員の大きな魅力であろう。その代わり、非正規社員安定しない。賃金も正社員に比べれば低いものだし、とりわけて派遣などの仕事を行っている場合は、本当に賃金も安定しない。社会保険等に関しても正社員と同様に働かなければ適応されないといった福利厚生の面でも安定しない。非正規社員は不安定だが、自由があるというのが特徴であろう。

---正社員のメリットよりも非正規社員のメリットの方が強くなってしまっている

 以上を踏まえると、正社員になりたくない人が増えているというのは、時間に自由がない正社員が嫌だからという人が多くなっているからだと推測できる。実際の所、時間に自由があるから非正規社員として働くという人は一定数存在している。

 色々あるグラフを総括すると、時間に自由があるから非正規社員を選ぶ人は少なくないことがわかるはずだ。

---問われる企業の信頼度

 また、昨今の日本社会は上述した正規社員のメリットである安心・安定・信頼の三つが揺らいでしまっているというのも非正規社員が増えている理由の一つであると考えられる。なぜ安心・安定・信頼の三つが揺らいでいるのか?それは単純明快にブラック企業の横行だ。そもそもブラック企業がブラックだと言われる所以が、正社員のメリットである安心・安定・信頼の三つが揺らいでいる点にある。正社員のメリットが揺らいでいる以上、自由が利く非正規社員を目指す人が増えているのも頷ける。

 また最近は大手企業でもブラックな労働環境が話題になったことからも、表に出ていないブラック企業が大量に存在していることが明るみになった。むしろ大手企業にもブラック企業があることが明るみになったと言った方がいいだろう。従来表に出ていなかった企業のブラック体質が明るみになったことから、日本企業に対する信頼度が低下している可能性がある。それもまた正社員にならない人を増やしている要因であると言えよう。

 まとめると、正社員になりたくないというのは、

①時間に縛られるのが嫌だから。

②そもそも企業が信用できない。

③正社員のメリットが揺らいでいる以上、正社員になる必要性を感じられなくなっている。

 の三つがあると言えよう。

 他にも様々な理由から正社員になりたくない人が増えている。「正社員 なりたくない」で検索してみれば、正社員になりたくない理由を述べているサイトや人が、少なくないどころか多いことに気が付くだろう。注目すべきなのは、正社員になりたくない理由を述べているサイトや人がどれもこれも決して悲観的な論調で書いていないことだ。正社員になりたくない理由に誇りを持っている人が多いという事だ。かくいう私も正社員になりたくない理由に誇りを持っている人の一人だ(私の事については割愛させてもらう)。昔は正社員にならない=非正規社員に関しては悲観的な見方が強かったが、今は非正規社員を悲観的に見る人の方が少なくなっている。とりわけて若い世代がそうであり、若い世代の中にはむしろ正社員を悲観的に見ている人だっているだろう。

 

続きます→http://2segno6dall.hatenablog.com/entry/2017/03/02/171745