読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

D.S.~ダルセーニョ~のブログ(仮)

自分で勝手に考えたことを色々書いています

【メモ】メディア・リテラシー~世界の現場から~:内容抜粋

 

 これは、こちらの書籍に書かれている内容を抜粋したものです。

f:id:mee-1630-heaven:20161105180050p:plain

 自分用にまとめたものですが、メモ書きという形で投稿します。ここで抜粋するものはあくまでも一部分の内容になります。このメモ書きで興味を抱いた方は、是非購入してみることをオススメします。

 なおこの本の初版は2000年発行です。2000年に初版が発売された書籍だということを念頭に置いて(本もこの文章も)読むことをオススメします。

 

             ~~~以下内容抜粋~~~

・アメリカメリーランド州モンゴメリ・ブレア高校の授業。テレビ番組が放送されるまでの経済構造をシミュレーションすることによって、「テレビ局が視聴者を広告主に売る」ことで成り立つビジネスであることを学習する。


・トーク番組を分析した授業では、ゲストの選定からインタビュアーの質問までが番組の主張にどれくらい影響しているのかを考えた。クリス・ロイド先生の授業。


ニューヨーク州ブロンクスのタフト高校。この高校は暴力事件が相次いだことによりマスコミから最悪な高校のレッテルを貼られていた。そんなときにメディア教育関係NPOのプロデューサーでもあったローラ・ブーラル先生がマスコミへの仕返しとして生徒たち自身の手で真の学校の姿を伝えるドキュメンタリー作品を作る事を考えた。


・アメリカでメディアリテラシー教育が盛んになったのはメディアが子供の生活の大きな位置を占めるようになったから。


メディアリテラシーの定義が分析だけに止まらず情報発信能力をも含むのは、メディアリテラシーの究極的目標として、メディア時代を生きる人間それぞれが主体性を持ち、自らの発信するメッセージを具えることで、既存のメディアを超えた多様性のある市民社会を実現する、との思想を反映しているから。


・アメリカでは国語の授業の一部として教えられているのが大半だが、選択科目として独立している場合や他の教科に組み込まれて教えられることもある。


・世界各国でメディアリテラシーが教育で組み込まれる背景には、メディアを理解する以外にも自国文化の育成や保護、宗教を背景としたモラルの保持、民主化が緒についたばかりの国々での民主主義の確立、多文化社会における多様性の実現など、と様々。


・イギリスのメディアリテラシー教育。メディアで映し出される現実と自分達の現実とを照らし合わせて、メディアが映し出す世界を認識する授業を行っている。


ロンドン大学デイビット・バッキンガム教授曰く、国語の目的は自分が身を置いている文化を理解することにある。複雑になった現代文化について如何に教えるかは大きな課題だ。


・バーナード・ブライティス教諭:メディアを教えることは国語の延長線上にある極めて自然なもの。


・マリオン・ブッド教諭:自分がどんな文化の中にいるのか、それを知るのが国語であり、メディアを学ぶことはその理解を広めるために必要なもの。


・イギリスの全国カリキュラムの国語では、初等教育(5~11歳)の段階から、活字だけでなくテレビ番組などの映像の読解が求められている。中等教育の「読む」パートでは、学習するテクスト(活字・映像などによるメディア作品の事)の対象が、「英文学遺産」「多文化・伝統によるテクスト」「活字媒体・情報テクノロジーによるテクスト」「メディアと動画」の4つに分けられており、メディアに関連したところでは、新聞・雑誌・広告・テレビ・映画・ビデオが学習の対象になっていて、現在作成中のカリキュラムでは、CD-ROMやインターネットもテクストに含まれる見込み。


・「メディアと動画」では、次のような学習目標が立てられている。
 ・活字、イメージ、音などが統合されてできているテクストがどう意味を成すか。
 ・形式やレイアウト(書体や字の大きさ、活字に添えられたイラスト、映像の順番やカメラでの枠の取り方、サウンドトラック)などの選択がどう効果に関わるか。
 ・メディアの性質や目的がどう内容や意味に関わるのか(新聞やニュース番組で何を一面、あるいは冒頭に持ってくるのかなど)
 ・視聴者、読者はどうメディアを選択し反応するのか。


・メディアを批判する番組には批判の目が向けられないで、その番組を鵜呑みにしてしまうという傾向がある。メディアを批判する番組にもどういう意図で作られているのかという裏はあるのに。どんな番組でも裏を必ず読むようにするのがメディアリテラシー


・メディア教育の成功の鍵は、しっかりとしたカリキュラムの存在に加えて、優れた教員教育と教材にある。


著作権の問題により効果的なメディア教育ができないという実態。


・メディア教育の深刻な課題の一つに成績の評価をどう行うのかというのがある。


・メディア教育をどう日常生活で生かしていくのかの探求が必要。


・イギリスでのメディア教育の目的は、メディアを理解することで文化を育むことを目的としている。


・カナダのメディアリテラシー教育:一年生から八年生までの初等教育のカリキュラムの中のメディアに対する能力の育成については、多様な形態のメディアに触れ、分析し、話し合いそれを自分の経験照らし合わせて考える力を身につけることを狙い都市、とりわけ映像や動画を活字と同じように理解することに力を入れている。

【具体的な中身】

・一年生では、写真や絵を使ってストーリーを作ってみせたり、アニメーションと現実の違いを区別したりする。

・二年生ではコマーシャルと番組の違いを理解する。

・三年生ではクローズアップやローアングルなど映像ショットの違いを学習する。

・四年生では屋外広告、Tシャツなど様々なタイプの広告を見分ける。

・五年生ではニュース、ドキュメンタリー映画、インターネット、CD-ROMなどそれぞれのメディアにおける情報伝達の特徴を考える。

・六年生では情報の送り手による誇張表現、偏った情報を見極める学習が行われる。

・九年生のメディア研究の授業例では、ドラマで描かれる家族と実際の家族がどう違うのか、本の表紙デザインを分析する、子どもをターゲットにした政府のメディア政策について考えてみる、などが並ぶ。

・十年生では目的によってパンフレットのデザインがどう変わるのかを考えるために、情報の伝達を目的としたものと販売促進を目的にしたものの二つを作らせたり、映画が封切られるとなぜ同時期に原作の本が発行されるのかを考えさせたりするなどの教育が行われている。


・カナダでメディアリテラシーが盛んになったのは国土上の性格というのがある。カナダは広大な国土にの割には人口が少なく人々が点在して住んでいるため、コミュニケーションを円滑にするためのテクノロジーを大切にし、それがもたらす影響について真剣にとらえてきたという歴史がある。同時にアメリカに面していることからアメリカの文化や価値観がカナダに進出してくるので、カナダ本来の文化を守るためにメディアリテラシー教育が発達したという歴史がある。


・カナダのモーゼス・スナイマー氏いわく、「テレビの本質は流れであり番組ではない。大事なのはプロセスであり結果ではない」。

 そんな彼が提唱したテレビは、プロセスを重視するテレビ観や現実を反映させたテレビのあり方、文化の多様性を重視し、視聴者の声に耳を傾け、社会問題にも真剣に取り組むという方針を立てている。これはメディアリテラシーの基本精神とも一致するもの。


・クロフォードによると、社会的な文脈におけるテレビを広く理解し、テレビに新たな価値を見出す視聴者の存在は、新しいタイプのマーケットを作り、高度なコンテンツ作りにも役立ち、将来の作り手のレベルアップにもつながるため、ビジネスにもプラスになり、業界にとっても歓迎すべきことだとのこと。


・ジョン・プンジャンテによるメディアリテラシーを成功させる秘訣:草の根からの動き、カリキュラムへの導入、教員訓練や教材の充実、教師・親・研究者・メディア関係者との協力関係が鍵になるという。


・市民によるメディア活動の一例:データを使ってメディアの報道振りを厳しく監視し、メディアの改善を訴えて行動を起こし、商業的に独立した公共圏を確保し、市民のメディアアクセスを要求し、多様な視点から情報を発信するなどの活動を行って、自らが効果的なコミュニケーションを図って、メディアの民主化に努めている。


・民衆側とメディア側の奇妙なコミュニケーションがお互いの能力を高める。


・問題提起:大事なのは多様な世界観を反映したニュースが存在することを積極的に紹介し続けていくことであり、更に、新たな価値基準を制定する「検閲プロジェクト」に続く団体がどんどん出現し、多様性に富む「検閲ニュース」を積極的に発信していくことではないだろうか?


・PR会社が専門性を生かして積極的に情報管理を行うことは有効なコミュニケーションのためには不可欠だが、一方で問題も残されている。まず、PR会社を雇って社会にメッセージを送ることができるのは、豊富な資金をバックにした企業や政府だけに限られるので、彼らに都合のよい世論や政策ばかりが広まる恐れがある。また「中立・公平」を掲げ、社会知識を形成し市民が何を考えるべき課の問題を設定する昨日を持つ報道機関が、あらかじめ企業側の利益に沿って加工された情報をそのまま流していることも気がかりな点。


・どんなに素晴らしいことや悲惨なことが起きていても、それが社会に広く伝わらなければ、理解を得られるどころかその存在すら認められにくいのが現代社会の実情。それを考えれば、PRを理解しそのテクニックを使って効果的に情報発信をする能力を身につけることは、ますます重要になるだろう。


・アメリカの団体「公共メディア・センター」代表ハーバート・ガンサーいわく、

「私が企業に望むのは市民に対する責任を果たしてもらうことです。企業は広告を遣って商品のよい面だけを伝えるため、情報が一方的で偏りがある。我々の任務は、企業が語らない側面を積極的に伝え、市民に選択肢を提示することです」

「情報は民主主義の生命線であるにもかかわらず、市民から遠いところで理由が説明されず、議論もなく、どんどん政策が決定されていく。今の社会では消費者はもてはやされ市民は敬遠されがちだ」


・ディーディー・ハレック曰く、「番組つくりが大掛かりになって莫大な経費をかけることは、実は表現の自由という一番肝心なものを犠牲にする」


・ジョン・フォーディー曰く、「視聴者はコマーシャルに対して諦めているところがある。我々の指名は物事に対して疑問を持ち、それを考えてみるという美学と習慣を身に着ける支援をすること。テレビに対して諦めたり背を向けたりするのではなく、視聴者を教育することが大事だと思う」


・映像の製作過程を実際に行うことで、どのような映像がどんな意図を持って作られているのかが分かるようになる。メディアリテラシー理解のための一環としてふさわしい。


・ネットリテラシーに関しては技術的なことよりも情報について批判的に吟味していく点が重要かもしれない。カナダのネットリテラシーの授業ではコンピュータを操作することよりもコンピュータを通して得られる情報の特性やインターネットの経済構造と内容の関係についてみていくことをテーマとしている。


・ネットリテラシーを高める上での重要ポイント
○ホームページの目的を理解する
 必ずしもすべてのサイトが明確な目的を持つわけではないが、発信者は情報提供で何が得られるのか、なぜサイトを立ち上げたのかを考える。製品やサービスを売るのか、情報提供をするのか、プロパガンダか、娯楽なのか、などを考える。


○著者の信頼性について調べる
 有名教授だから信用できるという認識は取りやめる。著者が高名な学者だったらその人物の基本理念を知ったり、検索を使って情報を調べてみることが重要になる。


○URLから情報タイプを確認する
 情報がどこに属しているのかがわかれば情報の予測をしてみることができる。→ブログやニュースサイト等で情報を見分けるということ?


○多様な情報源をあたる
 インターネット以外の情報源も当たってみること。