D.S.~ダルセーニョ~のブログ(仮)

自分で勝手に考えたことを色々書いています

シリーズ米大統領選挙:②進撃のバーニー・サンダース

・初めに

 この記事を投稿したのは2016年2月17日です。草案はそれ以前です。現在の状況とは食い違いますのでご了承ください。
 この記事には主観と妄想が詰まっています。それでもいいという方は拝読ください。一応シリーズものですが、前回の記事を読まなくても支障はありません。ただ、読んでおいた方がちょっとは面白くなるかもしれません。

・進撃のバーニー・サンダース
 白熱する米大統領選挙。事前の勢いではトランプ氏の一強かに思えたが、直前になって急激に勢力を伸ばす大統領候補が表れた。その人物とはバーニー・サンダース氏。民主党から米大統領選挙に立候補した人物だ。自らを民主社会主義というバーニー・サンダース氏もまたトランプ氏同様、過激な発言で特にアメリカの若者を中心に支持を集めている。その勢いはアイオワ州の党員集会で民主党候補の中では一強と言われたヒラリー・クリントン氏をわずか0.3ポイント差まで追い詰め、続くニューハンプシャー州の党員集会ではヒラリー氏に大差をつけて勝利している。今のところ、民主党候補の中では最も勢いのある人物であるのは間違いないであろう。

 そんなバーニー・サンダースについてこの記事で述べるが、あらかじめ申しておくが、トランプ氏同様、私は彼が米大統領になることは望んでいない。理由は彼の政治理念にある。まずはバーニー・サンダース氏がどういう人物なのかを見てみよう

バーニー・サンダースとは?
 まずは簡単なプロフィールを。1941年9月8日生。生まれはニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン。現在の年齢は74歳で、今回の米大統領選挙に立候補したものの中では最高齢に当たる。特別な経歴を持っている人物ではなく、政治家になるまでは大工、映画製作、作家、研究者等様々な職を経験している。ユダヤ系移民であるというのはちょっとしたポイントか。政治家として活動し始めたのは1981年のバーモンド州バーリントン市長から。1989年までバーモンド州市長を経験したのちに、1991年からは米下院議員(8期16年)を、2007年からは上院議員を務めた。上院議員に鞍替えする際に民主党の支援を受けた無所属候補として選挙に戦い勝利している。どうも同じ頃から、自らを民主社会主義者としてアピールしていたようで、ボッと出で民主社会主義者と名乗っているわけではない。つまり上院議員に上がる際に自らを民主社会主義者とアピールした上で支持を得ていたというのがポイントだ。ちなみに合衆国発の社会主義者の議員らしい。大統領候補出馬に合わせて民主党に入党している。

 以上が彼の簡単なプロフィールであり、政治家としてはかなりのベテランであることがお分かりいただけるだろうか。彼を語る上で欠かせないのが民主社会主義者という自ら名乗っているものであろう。

・民主社会主義者とは?
 そんな彼が名乗っている民主社会主義者とは何なのか?簡単に言えば、革命を否定し、議会制民主主義の中で社会主義の理想を実現しようとする思想である。つまり民主的な手続き社会主義を行おうということである。よく社会民主主義と比較されることがあるが、社会民主主義の中に民主社会主義が含まれているのであるどういうことかというと、社会民主主義は労働者の権利を守るために生まれたのが元々の始まりである。そこからレーニンが全ての資本を全員の共同資本にしようと主張したのが共産主義の始まりであり、その共産主義は革命によって引き起こされるのが常となった。理由は資本家をなくすことはかつての王族や貴族などの封建社会を否定すること=革命と同じことだと考えたためである。しかし社会主義者の中には革命によって労働者の権利を守ることを嫌う者も現れ始めた。そこで登場したのが民主社会主義である。共産主義と共産革命を否定し、民主的な手続きで社会主義を目指そうと主張した。これが民主社会主義の始まりである。まとめると、社会民主主義の中でも革命によって社会主義を目指そうとするのが共産主義であって、民主的な手続きで社会主義を目指そうとするのが民主社会主義である。まとめるとわかりやすくなるが、このようにややこしくなった背景には日本語訳があるものと考える。よって民主社会主義について考える際には、「社会民主主義」という言葉は忘れた方がよろしいと思われる。

 その民主社会主義の目指す社会主義についてだが簡単に言えば、自由主義経済や資本主義の弊害に反対し、より平等で公正な社会を目指す運動のことである。これを民主的な手続きで行おうというのが民主社会主義である。民主的な手続きとして真っ先に浮かぶのは投票だ。つまり投票などの国民の声に従って、資本家・労働者の隔たりのない、平等で公正な社会を目指すのが民主社会主義というわけである。思想としては確かに魅力的である。しかし、仮に現実的に民主社会主義を目指した場合、本当に平等で公正な社会が出来上がるのかは疑問である。そもそも現代、並びに過去における社会主義国家はどの例外もなく独裁体制である。よって民主的な手続きで社会主義を目指そうとしても、その過程において独裁政権が誕生する可能性が高いというわけである。実際に民主社会主義国家を作るにあたって、独裁政権にさせずにどこまで「民主的」を貫けるのかが焦点といえよう。

 以上は民主社会主義に対する考察であるが、このような社会主義思想が生まれた背景には資本家の権利が高くなり、労働者の権利が低くなったことが背景にある。ということは、民主社会主義者のサンダース氏が台頭した背景には米国内における資本家と労働者の待遇に隔離があることが考えられる。実際、アメリカのウォールストリートで労働者のデモが行われたことは記憶に新しい。こうした米国内の労働者の待遇の悪化からサンダース氏が台頭してきたことは十分に考えられる。そんなサンダース氏の支持者の大半が若者であることは特筆すべきことだろう。

・民主社会主義にすがるアメリカの若者たち

 なぜアメリカの若者はサンダース氏を支持するようになったのか?先ほどの民主社会主義の背景から考えるに、若者の待遇が悪いことが考えられるであろう。ちなみにこれは現状の資本主義国家全てに当てはまることであると私はみている。つまり全ての資本主義国家の若者の待遇が悪いということである。それは資本主義である以上実は仕方のないことである。この部分については割愛するが、こうした資本主義の弊害による待遇の悪さから若者が民主社会主義に啓蒙してしまうのである。その中でもアメリカの若者は特に資本主義の弊害を強く感じているからサンダースを支持するようになったというわけだ。きっかけとなったのは、ウォール・ストリートで起こった運動、通称オキュパイ運動であろう。そもそもオキュパイ運動を起こしたのがアメリカの若者である。アメリカの若者は富裕層に虐げられている自分たちの現状に不満を感じている。実際に当時のアメリカの若者の4割は職がない状態だったという。その不満が爆発したのがオキュパイ運動であり、その余波が現在も続いている。だから労働者の待遇を改善するという社会主義の思想を持つサンダース氏に若者の支持が集まっているということである。

---「民主社会主義」に支持が集まっている

 が、ここで興味深いのは「民主社会主義に支持が集まっているということだ。逆に言えば共産主義」には無関心(ではないかもしれないが)ということである。これはちょっとしたポイントであると私はみている。共産主義が何を引き起こしたのかは今の若者でも十分に理解しているだろう。教育で教わってきたし、現在の共産主義を目指す国家の有様を見てもわかる。だから共産主義は否定する。でも民主社会主義には支持を集める。その違いは何なのか。恐らく革命といった過激なことを否定したいのだろう。過激なことをしないで自分たちの待遇を改善させることができればそれが望ましい、とアメリカの若者は考えているのだろう。

 先ほども述べたが、教育で共産主義の異常性については教えられているはず。だが社会主義にある労働者の待遇を改善させるという思想は若者にとっては魅力的であろう。よって共産主義ではない社会主義をアメリカの若者は求めたのだと思われる。自分たちの待遇改善をしたければ、それこそ革命を起こせばいいだけの話である。革命を起こさなくても自分たちの待遇が改善される「見通し」を見出したからこそ、アメリカの若者は民主社会主義にすがるようになったと考えている。実際にアメリカの若い世代の大半がサンダース氏を支持している。これこそが民主社会主義を実行に移せる「見通し」であると考えている。良くも悪くも自分たちで自分たちの社会を考えることができるのがアメリカの特徴だ。だから自分達で考えて、バーニー・サンダースを支持したのである。民主社会主義に啓蒙するようになったのは、決して誰かに扇動されてではなく、自分達で考えたからなのである。その民主社会主義の代表的な人物がバーニー・サンダースというだけの話だ。まあ、自分達で考えて政治を決めることは普通の民主主義国家なら当たり前のことだが。そんなアメリカだからこそ革命を起こさなくても自分たちの待遇を改善することができるとアメリカの若者は考えているのだろう。羨ましい限りである。

 以上がサンダース氏を支持するアメリカの若者の背景についての考察であるが、先にも述べた通りこの傾向は現在世界中で見られている。つまり世界の若者もアメリカの若者と同様自分たちの待遇に不満を感じているのである。では具体的にどういうことが起こっているのか。少しだけ触れてみる。

・強いリーダーを求める世界の若者

 先ほども述べたが、若者の待遇が悪いことは現在の全ての先進国の資本主義国家に当てはまることである。そして社会主義も含めた過激な主張に啓蒙するようになっているのも、これは先進国だけでなく世界中になってしまうが、若者にみられることである。ではなぜ今なのか?若い世代が資本民主主義に疑問を感じ社会主義に啓蒙してしまうのは、資本民主主義下においてはいくらでも機会があったはずだ。にもかかわらずなぜ、言ってしまえば今更社会主義に啓蒙するようになったのか?いくつかの要素はあるだろうが、一つだけ挙げるとすれば、それは資本民主主義に限界が来ているからではないだろうか?社会主義に啓蒙するというよりも、資本民主主義に対する喪失感世界中で起こっていると私は考えている。だからヨーロッパでも極右勢力と言われている勢力が台頭するようになったのではないかとも考えている。こうした資本民主主義に対する失望感から、いずれの国々も強いリーダーを望んでいるというのが世界の若者の共通認識になってしまっていると私は考えている。その象徴とも言えるのがアメリカの若者が支持するサンダース氏の台頭であるだろう。

 他にも述べられるが、とりあえずここまでということで。

 

 ではサンダース氏が大統領になったらどうなってしまうのか?アメリカ社会そのものと日本はどうすればいいのかについて書いていきたいと思う。

・もしもバーニー・サンダースが大統領になったら?

 まずサンダース氏が大統領になった場合、アメリカはどうなるのか。彼の主義主張通りの政策が行われれば、民主的にできるかはともかく、アメリカは社会主義の国になってしまうだろう。具体的に行われる政策として、貧しい者の待遇改善と富裕層からの搾取が考えられる。富裕層からの搾取を徹底して行い、貧しい者もとい労働者に還元することになるであろう。それが社会主義というものだ。問題はその後とそのやり方だ富裕層からお金を巻き上げ労働者に還元させたとして経済はどうするのか?現状の社会主義国家の難点が経済である社会主義国家の経済というのは、簡単に言えば必要な分を必要なだけ作りそれで賄う経済である。資本主義経済との違いは利益を重視するか否か。社会主義は皆平等を掲げている以上、個々人が勝手に利益を追求することは難しくなる。利益追求を掲げようものなら富裕層として搾取されるのがオチだ。だから社会主義国家は独裁制になっていると考えることもできる。サンダース大統領下のアメリカがこうなってしまうのか否かは焦点であろう。

 またそもそも論として、アメリカが社会主義国家になることへの懸念も出てくる。アメリカは民主主義によって建国(といっても厳密には侵略したようなものだが)された国である。そして民主主義であることに誇りを持つのがアメリカの建国以来の精神であり、実際にそういう想いを世界で最も強く抱いているのがアメリカ人である。だから彼らは自分たちで政治、もとい国を考え議論することができるのだ。そんな伝統的なアメリカの精神を社会主義として壊すことができるのだろうか?サンダース氏は若者から絶大な支持を得ているが、逆に言えば若者以外からは支持を得ていない。それは若者以外のアメリカ国民がサンダース氏の掲げる社会主義がアメリカの建国理念を壊してしまうことになりかねないと危惧しているからではないだろうか?といっても、サンダース氏の掲げる社会主義には「民主」という言葉がつくから今までの社会主義とは違ったものになるかもしれない。

---アメリカの「社会主義」は世界の「社会主義」とは別ものか?

 そもそもアメリカの社会主義のとらえ方は特殊であり、国民皆保険と言っただけで社会主義という人もいるとのことだ。さすがにこれは言い過ぎと思うが、我々日本人もとい世界の人々の「社会主義」の認識とアメリカ人の「社会主義」の認識は違う可能性がある。まあそもそもどちらの認識が正しいのかを考えること自体がナンセンスかもしれないが。いずれにせよ、サンダース大統領の誕生で言えることは既存の社会主義とは違った社会主義国家になる可能性があるということだ。どんな社会主義国家になるのかはサンダース次第だ。そして先にも述べたが、社会主義国家の中でどこまで民主的を貫けられるのかも焦点である。ぶっちゃけこれが一番強いかもしれない。

・日本の対応と懸念

 では日本はサンダース大統領の誕生にどう対応すればいいのか?実はこれはトランプ氏が大統領になった場合と同じことだ。つまり日本は米国とは距離を置く関係になるということだ。まず現時点で想定できることはアメリカが社会主義国化すること。これだけでも日本との関係は厳しくなることが想定される。もっとも全てはサンダース次第なのでサンダース氏が親日であればもしかしたら関係は厳しくならないかもしれない。だがいずれにせよ社会主義国化はする。これに日本は警戒しておく必要があるだろう。よって基本的にはトランプ大統領誕生時の想定と同じでよろしいと思われる。詳しくはトランプの記事を参照してほしい。

---サンダース大統領誕生により中国がよりアメリカに接近する可能性

 日本の対応はトランプ大統領誕生時の想定で問題ないが、問題があるとすれば日本以外の国々との関係である。ここで出てくる大きな懸念が存在する。それは社会主義国化するということから予測ができる。その懸念とは何か。中国との接近である。これに関して関わってくるのが、実はサンダース氏の対立候補ヒラリー・クリントンである。ので詳しくはヒラリー氏の記事で述べることにする。これはあくまでも私一個人の考えではあるが、ヒラリー氏の米大統領選の苦戦の背景に中国が絡んでいる可能性はなくはないと思っている「中国から見たら」誰が米大統領になってほしくないかを考えれば見えてくるものがある。そして逆に「中国から見て」誰が大統領になってほしいかも考えると・・・。以上からサンダース氏が大統領になった場合、懸念材料として中国が出てくる可能性がある。日本はサンダース大統領への中国の接近を想定した対応を考えておく必要があるだろう。といっても、外交に関してはトランプ氏同様サンダース氏次第である。こういった意味でもトランプ氏と同じ対応で十分というわけである。

・まとめと自身の考え

 以上でバーニー・サンダース氏に対する私の見方は終わりとする。改めてまとめると、民主社会主義者を名乗るサンダース氏が台頭してきた背景にはアメリカの若者の待遇の悪さが考えられる。実際にサンダース氏の支持者の大半が若者だ。アメリカの若者は様々な面から自分たちの待遇を改善してくれる強いリーダーを求めている。そしてこのアメリカの若者の実態は世界中の若者で見られる光景となってしまっている。その背景には資本主義に対する喪失感が考えられる。そんなサンダース氏が大統領になったら、アメリカは間違いなく社会主義国化する。その際にどこまで民主的を貫けるのかが焦点になる。また社会主義国化したアメリカに対する日本の対応は、トランプ氏が大統領になった時と同じ対応でよろしいと思われる。しかし、社会主義国化したアメリカに中国が接近する可能性が浮上するので、そこに警戒しておく必要がある。以上がこの記事のまとめである。

 ここからは私自身がこの記事を書いてどう思ったのかをまとめる。改めて、私はサンダース大統領の誕生には否定的である。彼の政策は確かに実現できれば理想的ではあるが、実現できればの話である。サンダース氏が本当にアメリカを豊かにしてくれるのであれば、私はサンダース大統領でもいいと思っている。だがそれができないのであれば私はサンダース大統領を否定する。またサンダース大統領の誕生はアメリカの建国理念に反するとも思っている。サンダース大統領の誕生でアメリカが壊れてしまわないかの懸念がある。そうした懸念から私はサンダース大統領に否定的である。

 だが米国の若者が辛い立場にあるという現実がある。その現実をどう打破するというのか?少なくともサンダース氏にはアメリカの若者を救う具体策がある。だからアメリカの若者はサンダース氏に惹かれたのだろう。逆に言えば、サンダース氏以外にも米国内の若者を救う具体策を掲げる候補がいればその人物が大統領になればいいのだ。サンダース氏だけしか若者のことを考えていない大統領選挙というのもどうなのか

 こうした想いを抱いたのは米国内の若者の心情を理解したからである。米国の若者の辛い立場というのは日本の若者の辛い立場と重なる部分がある。サンダース氏は確かにとんでもない人物であるが、そういう人物が大統領にならなければ若い世代は救えないのだろうか?未来を作るのは今の世代ではない。これからの世代である。そしてこれからの世代こそが若い世代である。私は若い世代の優遇こそが国の未来をよりよくするものだと考えている。日本・米国だけでなく「世界の若い世代」に関しては別のトピックで扱うことにするが、私が若い世代だからこういう風に考えているのではないということだけは述べておく。

 それよりも重要なのは中国だ。まさかサンダース氏の記事で中国への懸念が出てくるとは思っていなかった。具体的にはヒラリー・クリントンの記事で述べることにする。